【 狩猟をはじめてみたいという方へ 】

Category : 狩猟:狩猟への道順

若年層の参入不足による、猟師の高齢化。
猟師を増やそうと様々な取り組みが行われ、狩猟に興味を抱く人も増えているようですね。
しかしながら魅力的な一面だけを押出したアピールは如何な物か?とも思うわけです。

これから狩猟を始めてみようかな?と思う人には知っておいてほしい事が山のようにあります。
それはイベントなどでは紹介されることも少ないし、場合によっては一切表に出さないことも。
思ってる以上に狩猟というものは大変なものです。

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狩猟は鳥獣を捕獲する行為、すなわち鳥獣の命を奪う行為でもあります。
狩猟の目的としては捕獲した鳥獣の肉を調理したり、剥製をつくるためだったり。
元々生息していない外来種の駆除や有害鳥獣駆除として作物を守るために狩猟をする場合もあります。
また状況により増えすぎた鳥獣の個体数管理なども行うことだってあります。

狩猟を行うにあたり、自ら奪った命とどう向き合っていくのか。
自分は山野の恵みに感謝し、少しでも無駄なく糧とし、また可能な限り毛皮や羽を使うことを心がけています。

ただ命を奪って終わり、そういう考えは捨ててください。
たとえ駆除活動や固体調整であろうと、奪った命に対し軽率な対応は絶対に取るべきではないと考えます。

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鹿や猪等、時に自分と同等または自分以上の大きさの獲物を仕留めることもあります。
何とか逃げようと必死に逃走を試みる獲物を、刃物や猟銃で止めを入れます。
初めて止めを刺したとき、何ともいえない罪悪感に包まれました。
しばらく獲物を呆然と眺めていたのを、今でもはっきりと覚えています。

今でも獲物の目を見ると、止めを刺すのをためらうこともしばしあります。
精神的にグッっと来るものがあります。
だからこそ奪った命に対し、軽率な対応はしないというのが僕の考えです。

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仕留めた獲物を山から引き出し、車に乗せて自宅へと運ぶ。
相当な労力を要する大変な作業。
移動中は一般の方に不快な思いをさせないよう、常にシート等で覆って運びます。

そして人目に付かない倉庫などで、獲物を解体します。
僕の場合、ほとんどが食肉になり、毛皮は製品へと加工、骨や肉片は犬におすそ分け。
余るのは内臓ですが、とても生ゴミとして出せるものではありません。

このように獲物の解体場所や残滓の処理方法など、獲った後の事も考える必要があります。
はっきり申しまして、環境の整っていない状況で狩猟は始めるものではありません。

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狩猟をはじめると、必要経費の多さに驚くでしょう。
狩猟免許の申請から受験、狩猟を行う為の手続き、猟具や装備品等の購入。
罠猟でも完成した罠を買えば、一基で5千円はします。
箱罠になると10万円近い費用がかかります。

猟銃による狩猟を行うのであれば、免許とは別に猟銃の所持許可を取得せねばなりません。
早くて半年、長くて1年以上、猟銃所持には時間もお金もかかります。
審査も厳しく家族や職場、友人、ご近所への聞き込み調査があったりします。

いざ始めたとして、周囲に師匠と呼べる人がいるかどうかも大きな点。
ネットや書籍で勉強できるとはいえ、やはり経験がものをいう世界です。
猟友会に所属したからといって、手取り足取り教えてもらえるとは限りません。

猟友会は地域差が激しいようで、評判の悪い地域もあるようです。
ここはオレの縄張りだから罠を掛けるな!なんて言われるとこもあるようです。
僕の地元は幸い雰囲気の良い猟友会で、可愛がられてると実感しています。
こういった人間関係も考えなければいけません。

決して手軽に始められるものではありません。
鳥獣の命を奪うということ、どう奪った命と向き合うか、そして狩猟にかかる費用面、各種手続きの面倒さ。
ルールを守って狩猟をしていても、時には一般の方から白い目で見られることだってあります。

色々なことに覚悟を決めないと、とてもじゃありませんがやっていけないでしょう。
ぜひぜひ一緒にやりませんか?と気軽に誘えるものではございません。
カッコイイとか興味があるというだけでは、まず狩猟はやっていけないと思います。



テーマ: 狩猟・ハンティング
ジャンル: 趣味・実用

プロフィール

牧 浩之

Author:牧 浩之
・職業:猟師・西洋毛鉤釣職人
 
・狩猟の獲物は余すことなくできるだけ利用。羽や毛皮は仮剥製およびなめし加工をして、毛鉤用素材として販売しています。

・当ブログはリンクフリーですが、記事の引用等は無断転載はお断りしております。転載などありましたら一言いただけると嬉しいです。
 
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