スポンサーサイト

Category : スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【 師匠との別れから2年が過ぎた 】

Category : 狩猟:山野を駆け巡った軌跡

今日は大切な師匠の命日。
2年前、罠猟免許の合格を伝えた翌日、師匠は静かに旅立った。
獣道のことや罠のこと、狩猟の話は沢山聞いたけれど、教わっていたのは鹿の解体だけ。
師匠が鹿を獲る度に、仕事放ったらかして駆けつけ、解体を教わり狩猟話に興じた。

あの時、正直言うと狩猟を始める気が失せた。
辛くて悲しくてやるせなくて。
「今年は一緒に山に行こう」
そう言って笑う師匠の顔を思い出すと、山に行く気にはならなかった。

もっと早く狩猟免許を取ると決めていたら、もっと色々話せたことだろう。
狩猟免許を見せて喜びを分かち合うことも出来たはずだ。
後悔しても始まらないなんて分かっちゃいるけど、悔しさが止まらなかった。

151.jpg

師匠が残してくれた遺品。
愛用していた帽子とベストは、奥さんが使ってと手渡してくれた。
そして数々のドラマを生むことになる師匠お手製のくくり罠。
「この罠を見本に上げるから、溶接も教えてやらないとな。」
そういって作ってくれた罠だから、これも使ってあげてと手渡された。

いや、頼まれていたというのが本当のところだ。
病に伏せ入院している時、猟期前に渡していてくれと頼まれていたらしい。
「弟子が出来たと喜んでいた」
息子さんのこの一言が、僕に希望を与えてくれた。

猟友会から支給された帽子とベストは、未だにクローゼットの中でビニールをかぶっている。
一度たりとも着用したことが無いし、僕には必要ないものだ。
いつも師匠の形見を着用して山に出掛けているからだ。

師匠が獲った立派な角のオス鹿の骨格標本。
大切な形見であり、お守りであり、目標である。
僕が苦労して獲った初めてのオス鹿が子供に見える大きさ。

この鹿の角を見るたび師匠ってすげぇなぁって思う。
そして山に行きたくてウズウズしてくる。

150.jpg

体調を崩されて入院する前に、師匠が獲った鹿皮をなめしてプレゼントした時の写真。
これが師匠にとって最後の獲物になるなんて、誰もが考えていなかった。
あの時の毛皮は、今でも師匠宅のソファに敷かれている。

山に入ると普段、感じることが無い不思議な感覚にとらわれることが多々ある。
山の神様に見られているのか、獣がひっそりとこちらを伺っているのか。

そして僕は一人で猟をしていると感じたことが一切無い。
きっと師匠の思いが詰まった形見と共に山に入っているからだろう。
「なんだ、形は違うけれど、一緒に山に来てるんだよなぁ。」
じゃなきゃ、初めて間もない新人が3日目に初獲物を仕留めたり、誰にも教わることなく初年度から鹿を17頭も獲れた説明ができない。

師匠の作った罠は、魔法でも掛かってるんじゃないか?
鹿の初物も、猪の初物も、2年目の初物も、そして最後の鹿も師匠が作った罠に掛かった。
今年の猟期も初物はこの罠に掛かるんだろうなぁ。

153.jpg

あれから2年。
気が付けば狩猟を職業としている自分がいる。
師匠と出会わなければ、きっと今の自分は居ないと断言できる。
ただのツマラナイ毛鉤職人でしかなかったんだろうな。

夜が明けたら墓前に手を合わせに行こう。
言う事は決まっている。

師匠、そろそろ準備しておいてくださいよ。

年季の入った帽子とベストを着て山を駆け巡ろう。
今季もまた山に入り浸る毎日が始まろうとしている。





↓よろしければクリックしてランキング投票をお願いします。

にほんブログ村 釣りブログ フライフィッシングへ  にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ







テーマ: 狩猟・ハンティング
ジャンル: 趣味・実用

プロフィール

牧 浩之

Author:牧 浩之
・職業:猟師・西洋毛鉤釣職人
 
・狩猟の獲物は余すことなくできるだけ利用。羽や毛皮は仮剥製およびなめし加工をして、毛鉤用素材として販売しています。

・当ブログはリンクフリーですが、記事の引用等は無断転載はお断りしております。転載などありましたら一言いただけると嬉しいです。
 
・お気軽にメールください。釣場情報や加工技術等はお答えいたしておりません。生活が掛かっていますからご理解ください。獲物の肉の販売は致しておりません。
info@hm-favorite.com

Twitter
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。