【復刻版:コンパラダンのタイイング】

Category : 釣り:フライタイイング

※旧アドレスからの移植・復刻版です。

鹿の毛を翅に見立てて使っている、カゲロウの亜成虫をイメージしたコンパラダン。
使っているうちにウィングが前倒れになってくるとお悩みの方が多いようですね。
実はウィングの固定時にちょっとしたコツがあるんです。
接着剤を使う方法もありますが、あえて使わない方法を紹介します。

まずはじめに、使うディアヘアを選びましょう。
ディアヘアと言っても色々な種類がありますので、目的に合わせて使い分けます。
コンパラダンのようなウィングには主にエゾジカのような毛質のものがいいでしょう。
一般的に市販されているものですとサザンディア(テキサスホワイトテールディア)やコースタルディアヘア。
コンパラダンディアという名前で市販されているものもありますので、それが無難ですね。

ちなみに、サザンディアとエゾジカはグレー調、コースタルディアはブラウン調の色合い。
キュウシュウシカはさらに細いので、#16より小さいサイズのウィングに使います。
個人的にはエゾシカのものが、一番しっくりくるかなと思います。

それではコンパラダンを巻いてみましょう。

Hook:TMC100 #12~#16
Thread:8/0
Wing:Ezo Deer Body
Tail:Deer Mean
Body:Insect Dubbing Fine

手順1

1.ウィングの取り付け
まず、シャンクに下巻きをしたら、写真のように束ねたディアヘアをスレッドで固定します。
ウィングの長さはドライフライの基本である「シャンクと同じ長さ」にします。
取り付けたウィングは回転してしまわないように、しっかりとスレッドを絞ってフックに固定します。

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シャンク内側から見た画像。
ウィングはフックを包み込むように取り付けますが、下側だけは回り込まないようにします。
下側に回りこんでしまうとディアヘアがレッグのように張り出してしまいます。
はみ出してしまったヘアは水面姿勢に影響しますので要注意。

a0176707_20504888.jpg

2.切り口を綺麗に
ディアヘアの余分を切り口が斜めになるようにカット。
さらに切り口の両サイドも斜めにカットし、切り口が先細りになるようにします。
切り口はスレッドでしっかりと固定し、テーパー状になるようにしてください。
その後、テールをV字型に取り付けます。
ここではニホンジカのメーン(タテガミ)を使いましたが、ムースボディ等でOKです。


a0176707_205532.jpg

3.ボディを巻いていく
ドライフライ用のダビング材でボディを巻いていきます。
すでにテーパー状の下地ができているので、薄くダビング材を巻いてもOKです。
ボディは一気に巻き上げず、ウィングの手前に少しスペースを空けておきます。
このスペースが前倒れを防ぐキモなんです。

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4.ウィングの固定
スレッドをウィング前方に進めたら、ウィングを後方に押さえてウィングの根元を固定します。
この時、スレッドは斜め後方へと引っぱりながら、ウィングの根元に食い込ませるように巻きます。
斜めにスレッドをかけることで、仕上がりのウィング形状が大きく変わってきます。

a0176707_20585542.jpg

指を離すとこんな感じに。
先ほどあけておいたスペースにウィングが逃げます。
この状態でヘッド部を巻いても前倒れは防げません。

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5.ウィングをしっかりと立たせる
再びウィングを後方に押さえ、ボディを仕上げていきます。
まずダビング材をきつくスレッドに馴染ませ、ウィングの根元に食い込むように巻きます。
ウィングの前方を硬く仕上げることで、後方のスペースにウィングが逃げます。
これで前倒れすることが非常に少なくなるでしょう。

a0176707_2142136.jpg

横から見るとこのような感じ。
ウィングの下側がスタビライザーとして、水面での安定性を確保する機能を持ちます。
下側のウィングがボディの横から生えていればOKです。

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ウィング固定の時にスレッドを斜めに掛けた理由がコレ。
真上から見た写真ですが、ウィングが>時になっているのが分かります。
一直線ではなく、本来はこのような形状になっていなければいけないんですね。
テールが浮力を失っても、後方を向いたウィングがボディを支えます。
なにより水面での姿勢が非常に安定します。
そして水中からのシルエットもまた一味違っています。

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最後に正面から見た写真。
180度広げるという点では、一般的なタイイング方法と同じです。






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ジャンル: 趣味・実用

プロフィール

牧 浩之

Author:牧 浩之
・職業:猟師・西洋毛鉤釣職人
 
・狩猟の獲物は余すことなくできるだけ利用。羽や毛皮は仮剥製およびなめし加工をして、毛鉤用素材として販売しています。

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